こんにちは、塾長&
内観カウンセラーの鳩島です。
前回の続きです。
子ども褒める自信のないお母さんに、自分を褒めることから始めましょうと提案しました。
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「○○さんは、本当は毎日のことをしっかりされている人だと思いますよ。理想の自分があって、その自分と現状を比較して、つい出来ていないところに目がいってしまうんですね。それは、もっと向上したいという気持ちが強いということです。いいことですよね」
「向上心があるだなんて・・・・・・。そんなことないです」
「ぼくが褒めたときに、『そんなことないです』って否定されましたよね。幾分かの謙遜や照れくささもあって、そう言われたと思うんです。まったく向上心がないわけじゃないでしょう?」
「はい、まあ、そうです」
「先ほどの繰り返しになりますが、褒める部分を見つけるコツは普段していることをよく観察することなんです。当たり前の事としてしていることから、いいことを見つけるんです。先ほどの家族のために朝からしたことは普段していていることですよね」
「毎日してます」
「是非、これを褒めて下さいね。人のためにしていることは全て褒める対象になりますよ。また、別な見方として悪くないことや失敗しなかったことを、褒めることもできますよ。朝寝坊せずに家事ができた。塾の懇談に遅刻せずに来れた。職場に行って、きちんと自分の仕事ができた。等もいいでしょうね。」
「そんな方法もあるんですね。なんだか無理やりこじつけてるみたい・・・・・・」
「そうなんです、半分訓練も兼ねて、褒める部分を見つけることを続けてほしいんです。現状の中のいいところと、現状より少し出来るようになったところを褒めるんです。これを繰り返すと、自分の責めることも少なくなってくるんです。また、自分に対して褒めることが上手くなっていくと、お子さんに対しても、ご主人に対しても、褒める部分を見つけやすくなりますよ。がんばって、自分を褒めることに取り組んでくださいね」
「はい、ちょっとやれそうな気がしてきました」
「このお話をしても、そうですねって、聞き流す人も多いんです。○○さんは、真面目に聴いて、取り組む気持ちになってくれましたよね、『エライッ!』ですよ。」
「はあ、そんな事・・・・・・、あっ、これって早速褒めてくれたんですね。はい、ありがとうございます。やってみます!」
「上手に褒めるようになるために、寝る前に1日の行動を振り返って、褒められることをリストにしてみてください。それを見て、私ってえらいなあって褒めるんです。そして、褒めることにだんだん慣れてきたら、今度はその行動をしたときに、心の中でやったね、エライ、エライとしっかり褒めるんです。そこまでいけば、もうお子さんの褒めるポイントも簡単に見つけられるようになりますよ。楽しみですね」
「そうですね、やってみます。 ところで、先生、褒めると、自分を責めることも少なくなってくるって仰いましたが・・・・・・。」
「ぼくの体験を話しますね。
実は、昔は自分を褒めることをほとんどしていなかったんです。
そのころは、授業で少しでもうまく行かない部分があると、自分に駄目出しをしていました。
そのままの気持で授業の改善案を考えても、いいアイデアが浮かばないんですね。
ところが、自分のことを褒めるようになると、出来なかった部分を見つけて責めそうになると、すぐに他のいいところも思い出すんです。
それで、落ち着いて考えることができて、次の工夫につながるアイデアがよく浮かぶようになったんです。」
「そうだったんですか、先生も褒めないタイプだったんですか?」
「はい、褒めるようになって、自分を責めることが少なくなり、随分ラクに生きられるようになりました。
ああ、もう、次の方の懇談時間になりましたね。
では来月の懇談までにしっかり自分を褒めてみてください。
何か変化が起こればいいですね。」
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内観は、自分のいいところを見つけることにも役立ちます。
普段、当たり前とスルーしてしまうことに関して、じっくり観察してみます。
「こんなこと」「ちっぽけなこと」の中に自分を褒める部分が隠れています。
自己観察して、いいところをどんどん見つけていきましょう。
いいところを再認識すれば、前向きになれます。子どもを感情的に叱ることも少なくなり、いい信頼関係が築けるのではないでしょうか。